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アコギな雑談

アコギな雑談 第41回 位相反転スイッチについて 2020/1/28

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「初心者のためのアコースティックギター上達テクニック」サイト管理人がお届けするラジオ番組です。
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どうぞお付き合いください。

今回のテーマ:●位相反転スイッチについて

位相反転スイッチについて

前回は「80Hz以下の音域について」という内容でした。
第39回のアコギな雑談でハイパスフィルターについて話したところ、金の尾藤さんからコメントをいただきまして、そのような流れになりました。
今回もその続きで、同じくコメントで質問をいただきました位相反転スイッチについて書きます。

位相反転スイッチの簡単な説明

位相反転スイッチは、ミキサー、レコーダー、MTR、DAWソフトなどにある機能です。
位相を反転させるためのスイッチになります。
位相という言葉は難しいので、ざっくり別の言葉で説明します。

音は波で表現され、波形といいます。
その音の波は高いところと低いところがありますが、その位置を意図的に反転させるときに使うスイッチが位相反転スイッチです。

なので、位相反転スイッチをオンにすると、波の高いところは低いところへ、低いところは高いところへ、ちょうど真逆の位置にひっくり返ることになります。
これを「反転」、あるいは少し専門的な言葉でいうと「位相が180°ずれる」といいます。

波の特徴として「重ね合わせの原理」があります。
高い波と高い波が合わさると、より高い波になります。つまり足し算です。
逆に、高い波と低い波が合わさると、打ち消しあい、条件次第ではゼロになります。
ちなみに、この原理使っているのがノイズキャンセラやバランス伝送です。

さて、アコースティックギターのレコーディングで、この位相反転スイッチを使うことがあります。

例えば、ボディの上(6弦側)からサウンドホールに向かって1本目のマイクを立て、ボディの下(1弦側)からサウンドホールに向かって2本目のマイクを立て、録音します。
そのとき録音した波形をよく見ると、上のマイクと下のマイクの波形が同じにならないことがあります。
そうすると、先ほどの波の打ち消しあいが起こり、薄っぺらな音に聞こえてしまいます。
そのようなときに片方の位相を意図的に反転させることで(上のマイクか下のマイクのどちらか一方の位相反転スイッチをオンにすることで)、波の打ち消しあいが解消されて、クリアになる…
つまり、薄っぺらい音になってしまったとき、位相反転スイッチを押すことによってクリアな音になりますよ、ということです。

その他にもアコギの録音で考えられるのは、オンマイクとオフマイク、マイクとライン、AB方式のステレオ集音などなど、複数のマイクを使ったレコーディングが考えられ、そのようなときに位相反転スイッチを使うことになります。

位相反転スイッチの使い方は超簡単!

一応説明しましたが、実際のところ原理や理屈は全く必要ありません。
それよりも、うまく録音するための使い方が大事ですね。
2本以上のマイクを使ってレコーディングするときに、「なんか音がよくないぞ」と感じたときは、ヘッドホンで正確にモニターしながら、位相反転スイッチをオンにしたりオフにしたりして、最終的にはクリアに聞こえるかどうかで判断して選ぶ、ということになります。

位相を反転させるというと難しく聞こえますが、やっていることは単純です。
位相反転スイッチをオンオフさせて、クリアに聞こえる方を選びましょう、それだけです。

マイクを2本以上使ってレコーディングしたときに、「なんかおかしいなぁ~」と思ったら位相反転スイッチをカチカチやってみてください。

アコギのレコーディングについて「まるごとアコギの本」にまとめましたので、よろしければ参考にしてください。

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