ダイレクトボックスはDirect Injection Boxのことで略してD.Iと言います。
ダイレクトボックスの役割は次の2つです。
ハイインピーダンスをローインピーダンスにする。
アンバランス伝送(不平衡伝送)をバランス伝送(平衡伝送)に変換する。
難しいですね。
耳から脳ミソが出てきそうです。
難しいことは置いておいて、絶対に忘れてはいけないポイントを話します。
インピーダンス
音響機器の接続(インピーダンス整合)は「ハイ受けロー出し」が鉄則です。
インピーダンスとは交流回路における抵抗値のことです。
単位は[Ω](オーム)です。
ピックアップやアンプなどの音響機器はインピーダンスという抵抗値を持っています。
入力部分が持っている抵抗値を入力インピーダンス、出力部分が持っている抵抗値を出力インピーダンスと言います。
音響の世界では入出力のインピーダンスをマッチング(整合)させることが重要と考えられています。
我々ギター弾きが一番気を付けることは「入力インピーダンス<出力インピーダンス」となるように接続することです。
「ハイ受けロー出し」と覚えます。
「ハイ受けロー出し」は鉄則です。
逆にすると、ギターの場合まともに音が出ません。
ギターのピックアップは「ハイインピーダンス」です。
ハイインピーダンスをローインピーダンス化することで様々な音響機器と接続が可能になります。
ダイレクトボックスはハイインピーダンスをローインピーダンスにする変換機です。
また、アコギ用のプリアンプはこのダイレクトボックスの役割も兼ねています。
バランスとアンバランス
長距離の信号伝送は、ノイズに強いバランス伝送(平衡伝送)にします。
ライブ会場のステージからPA卓までの距離が何十メートルもある場合、ギターの音をアンバランスで送ると音が痩せたり、ノイズが載ったりします。
これを回避するため、長距離の信号伝送にはバランス伝送を使います。
バランス伝送はノイズに強いからです。
ほとんどのアコギ用プリアンプはバランス出力できるようになっています。
ただし
エレアコについているプリアンプはXLR端子を持っていません。
つまりアンバランス出力です。バランス出力できません。
エレアコからの音を直接PAに送る場合はバランス出力のできるプリアンプかダイレクトボックスを使ってバランス伝送します。
エレアコについているプリアンプは音作りのためというよりもノイズ対策のためについていることが多いので、バランス出力ができ、しっかり音が作れるプリアンプをもう一台接続してPAに送ることが多いです。
追記2017/8/18
バランス伝送の仕組みについて【ケーブル】バランス伝送(平衡伝送)ってナニ?で書きましたので、参考にしてください。