「音程がいい、悪い」などと言いますが、音程とは何のことでしょう?
「音程=インターバル」とは2音間の距離のことです。
2音間の距離ですので、基準になる音があり、それに対して比較する音があります。
ちなみに、音程は英語でインターバルであり、ピッチではありません。
ピッチとは「音高」のことで、音そのものの高さのことです。例えばA=440Hzという具合です。
音程は2音間の距離ですので、その距離を表すための単位があります。それが「度」です。
英語では「度」という単位は使いません。英語では序数を使って~thと言います。
セブンス(7th)とか言いますよね。
また、1度・8度はそれぞれユニゾン・オクターブとも言います。
音程を分かりやすく理解するために、先ほどの”階名定規”を使います。
先ほどの階名定規を発展させます。さらに分かりやすくするために数字を使って表します
fig1 のようにドを1とします。
レを2、ミを3… と順番に番号を振ります。
9以降もありますが、今回は8までにします。
ではレbは何番にしましょうか?
レbはレの半音下…ということで「1.5」と番号を振りたいところですが、後々のことを考えて「m2」とします。
同じように空いているところに番号を振ります。
こうなります。
まだ埋まってないところがありますが、あとで説明します。
今度は”音程定規”と呼ぶことにします。
音程定規は階名定規と同様、移動します。
ちなみに”定規”という言葉はこのサイトでしか通じない言葉ですので気をつけてくださいね。
この数字が2音間の距離を表す数字になります。
ただし、この定規は普通の定規と違い使い方にコツがいります。
普通の定規は「0」から始まりますが、音程定規は「1」から始まってます。
例えば「CとD」の距離を測ってみましょう。
Cに音程定規の1を合わせます。Dに当てはまる数字を読みます。「2」です。単位は「度」です。
なので、CとDの距離は、「2度(英語ではセカンド)」となります。
「2-1=1だから1度」ではありませんので気をつけてください。
次に、DとFの距離を測ってみましょう。
移動させて、Dに音程定規の1を合わせます。
Fに当てはまる数字を読みます。「m3」です。
何と読めばいいでしょう?
「短3度」と読みます。小文字mは「短」と読んでください。英語minor(マイナー)のmです。
DとFの距離は「短3度」(英語では minor 3rd )…ということになります。
この「m3」を短3度と呼ぶのに対して「3」を「長3度」(英語では Major 3rd )と呼びます。
なので音程定規も「3」→「 M3 」 とします。英語Major(メジャー)のMです。
minor の小文字m と Majorの大文字M の使い分けは世界共通ですので、音程定規もこれに合わせます。
こうなります。
ご覧のとおり、「3度」という音程(距離)には「短3度(m3)」と「長3度(M3)」という2つの音程があることが分かります。
「短3度(m3)」も「長3度(M3)」も両方とも「3度(3rd)」です。
ちょっとややこしいですか?
「3度でハモる」と言いますが、「短3度」と「長3度」を両方使ってるんですよ。
ハモリについては、また別の機会にまとめたいと思います。
fig3で、CとDの音程(距離)は「2度」と言いましたが「長2度(M2)」です。大丈夫ですよね。
実はこういった「短○度」「長○度」という呼び方をするのは「2度」「3度」「6度」「7度」のときだけです。
「1度」「4度」「5度」「8度」は、それぞれ「完全1度(P1)」「完全4度(P4)」「完全5度(P5)」「完全8度(P8)」と呼びます。大文字 P は Perfect の P です。英語では、P1=Perfect first…と言います。
そして、「1度」「4度」「5度」「8度」には「短○度」「長○度」という呼び方はありません。
代わりにそれぞれの♭を減○度、#を増○度と言います。
例えば、ソの♭を減5度(♭5=フラットファイブ)、#を増5度(#5=シャープファイブ)と言います。
fig5 と fig6 を比べると分かりますが、ソ#とラ♭は呼び方は違いますが同じ音です。
これを「異名同音」と言います。
説明の都合上、音程定規は「#5」を使用します。
難しい話はしません。
名前だから仕方ない…まあ、そういうもんだと思って覚えましょう。
これで、音程定規が全て埋まりました。
最終形はこうなります。
もっと詳しいことが知りたい方はこちらを参考にするといいでしょう。
世界共通です。
音程の一覧