ディレイ、リバーブ
空間系と言われるエフェクターです。
アコギのレコーディングによく使われる空間系エフェクトは、ディレイ、リバーブの2種類です。
空間系のエフェクトは広がりを演出するものなので、ぜひステレオで使いたいです。
これらのエフェクトは録音の時にはかけません。
MIX時に曲全体のイメージを考慮してかけます。
空間系エフェクトをかけ録りするようなときは・・・
- 押尾コータローさんのようなアコギ1本のインストルメンタルをライン音で作りこむ時
- クラシックギターの演奏時
などが考えられます。
リバーブなどをかけて録音すると、そのリバーブ音は後から消せませんので注意してください。
リバーブなどをかけ録りするときは、同時にノンリバーブの音を別トラックにとっておいた方が安心です。
ディレイ
音を遅らすエフェクターです。
山に向かって「ヤッホー」と叫べば数秒後に「ヤッホー」と返ってきますね。その反響音を作るエフェクターです。
大事なパラメータは2つで、ディレイタイムとフィードバックです。
ディレイタイムは何ms遅らせるか、フィードバックは何回繰り返すかを決めるパラメータです。
ディレイタイムは曲のテンポに応じて決めることがほとんどです。
ディレイタイムとテンポが合っていないとリズムが不自然になり、カッコ悪くなります。
ディレイタイムとテンポの関係は次のようになります。
4分音符のディレイタイム(ms)=60000(ms)÷テンポ(BPM)
msはミリセカンド、つまり1秒の1000分の1です。
つまり、1000ms=1秒となり、60000ms=60秒=1分 となります。
BPM(ビーピーエム)はBeats Per Minute (ビート パー ミニット)で、1分間あたりの4分音符の数です。
ですので、8分音符のディレイタイムは、
4分音符のディレイタイム÷2
となり、
付点8分音符のディレイタイムは
(4分音符のディレイタイム÷4=16分音符)×3
となります。(ちょっとややこしいですが、付点8分はよく使います)
リバーブ
残響音を加えるエフェクターです。
お風呂やトンネルの中、教会などで音が響くと思いますが、その響きを加えます。
実際の音楽制作では、アナログリバーブや部屋の残響音をシミュレートしたデジタルリバーブを使います。
いろんなタイプのリバーブがありますので、自分のイメージに合うものを選んで使います。
大事なパラメータは、リバーブタイム、プリディレイです。
リバーブタイムは残響音の時間、プリディレイは原音からリバーブがかかり始めるまでの時間です。
それでは、代表的なリバーブタイプを紹介します。
プレートリバーブ
大きな鉄板(畳一畳ぐらい)に音を響かせて、それをピックアップで拾う仕組みのリバーブです。
アコギによく合います。
スプリングリバーブ
スプリングに音を響かせて、それをピックアップで拾う仕組みのリバーブです。
ギターアンプに使われているリバーブのほとんどがスプリングリバーブです。
ルーム、ホール、アンビエンス
部屋の響きをシミュレートしたリバーブで、部屋の大きさや残響音の減衰の仕方によって名前が付いています。
機材によって同じ「ルーム」というタイプでも響き方が違いますので、自分のイメージに合うようにパラメータをセッティングします。
アコギによく合います。
ノンリニア、ゲートリバーブ
残響音が途中で突然無くなるリバーブです。
アコギでは使いません。
スネアやタムなどに使われることが多いです。
コーラス
アコギの音作りには、ジャンルや曲によっては、コーラスというモジュレーション系のエフェクターを使う方もいらっしゃいます。
コーラスはピッチを揺らすことによって音に厚みを加えるエフェクターです。
広がりのあるサウンドを作ることができます。