ギターは世界中で弾かれる楽器ですので、フォーク、ロック、ジャズ、演歌…と様々なジャンルで登場します。
それぞれのジャンルで特徴的なフレーズやコード進行がありますが、アコギ初心者は基本的なことを学ぶために、童謡やフォークソング系の比較的簡単なコードだけで弾ける曲で練習することを勧めています。(もちろん、ジャズギターがどうしても弾きたいという方は、そこからスタートしてもいいと思います。)
さて、初心者はコードを覚えるところから練習が始まりますが、ギターのコードにはバレーコードと呼ばれる、初心者にとって厄介なコードが存在します。
また、コードっていくつ覚えるの?という不安を持っている人も多いでしょう。
しかし、それほど気にすることはありません。
実はコード進行にはお決まりのパターンがあり、登場するコードもほぼ決まっています。
最初はひとつずつ覚えるしかありませんが、なるべく効率よく習得したいものです。
そのために、キーをC、Am、G、Emのどれかにして覚えるといいでよう。
基本的なコードを覚える
例えばキーがCの曲は基本的にCDEFGAB(ドレミファソラシ)という音でメロディやフレーズが作られます。
これらの音を基に作られるコードをダイアトニックコードといいます。
ダイアトニックコードについて難しいことは書きませんが、「そのキーでよく使われるコード」のことだと思ってください。
ちなみにキーがCのときのダイアトニックコードはC、Dm、Em、F、G、Am、Bm(♭5)の7つです。
その中でも頻繁に登場するのがC、Dm、Em、F、G、Amの6つのコードです。
ここで気づくことはFだけがバレーコードで、その他はオープンコードだということです。
初心者はこれらのコードから練習しましょう。
キーがC#のときはどうなるか!?
ではキーがC#のときはどうなるでしょうか?
キーが半音上がりますから、上記の6つのコードも半音上がってC#、D#m、E#m、F#、G#、A#mになります。
なんと、全てがバレーコードになってしまいました。
キーがC#の曲は、カポを1フレットに付けキーをCとすると、先ほどの6つのコードだけ覚えていれば弾けるということが理解できますね。
つまりC#、D#m、E#m、F#、G#、A#mを覚えていなくても、C、Dm、Em、F、G、Amを覚えていればカポ1で弾けるということです。
他のキーでも考える
キー | 各キーのダイアトニックコード(三和音) | ||||||
C | C | Dm | Em | F | G | Am | Bm(♭5) |
D♭ | D♭ | E♭m | Fm | G♭ | A♭ | B♭m | Cm(♭5) |
D | D | Em | F♯m | G | A | Bm | C♯m(♭5) |
E♭ | E♭ | Fm | Gm | A♭ | B♭ | Cm | Dm(♭5) |
E | E | F♯m | G♯m | A | B | C♯m | D♯m(♭5) |
F | F | Gm | Am | B♭ | C | Dm | Em(♭5) |
G♭ | G♭ | A♭m | B♭m | B | D♭ | E♭m | Fm(♭5) |
G | G | Am | Bm | C | D | Em | F♯m(♭5) |
A♭ | A♭ | B♭m | Cm | D♭ | E♭ | Fm | Gm(♭5) |
A | A | Bm | C♯m | D | E | F♯m | G♯m(♭5) |
B♭ | B♭ | Cm | Dm | E♭ | F | Gm | Am(♭5) |
B | B | C♯m | D♯m | E | F♯ | G♯m | A♯m(♭5) |
キーがGのときはG、Am、Bm、C、D、Emの6つになります。
こちらはBmだけがバレーコードで、その他はオープンコードですね。
それ以外のキーでは、バレーコードが2つ以上出てきてしまいます。
まとめ
曲にはメロディがあり、その音から作られるコード(ダイアトニックコード)が頻繁に登場し、そのコードの使い方にはパターンがある、ということです。
ドレミファソラシドでメロディが作られる限り、ダイアトニックコードから逃れるわけにはいきません。
ダイアトニックコードを弾こうとしたとき、一番簡単なCやGのキーでも1個はバレーコードになってしまいます。
これはマイナーキーも同様です。
アコギ初心者が最初に覚えるコードと4つの練習で「F(バレーコード)に最初から挑戦する理由」を書きましたが、Fはコツさえ掴めば誰でも押さえられるようになりますので、まずはFコードを押さえられるように練習しましょう。
またFコードが押さえられるようになれば、Bmは余裕で弾けます。
なので、まずは基本的なコードを覚え、弾きたい曲をバレーコードが1個しか出てこないキーのCとG、マイナーキーではAmとEmにして練習するという方法が、アコギの上達に最適だと考えています。
ダイアトニックコードとコード進行については「まるごとアコギの本」に書きましたので、参考にしてください。